藤澤ノリマサ氏『Prayer(プレイヤー)』のご紹介

藤澤ノリマサ氏『Prayer』のご紹介

このブログの最初に、こちらの歌をご紹介したいと思いました。藤澤ノリマサ氏の『Prayer(プレイヤー)』です。

クラッシックの「主よ人の望みよ喜びを」がベースで、どなたにもききやすい歌です。管理人がはじめて聴きましたのは、3・11の震災直後、4月8日の「情報ライブ ミヤネ屋」の番組の中でした。

花曇りの空のもと、京都平安神宮の満開のしだれ桜の下で、藤澤さんご自身の弾きがたりで歌いあげられました。それは、震災で亡くなられた方々への追悼であり、また、遺された方々の心を癒やすための歌でもありました。

東北で未曾有の災害がおきたとき、毎深夜、テレビでは現地の撮りっぱなし映像がながれ、どろどろに疲れながら会えない家族をさがして避難所から避難所へと歩く方たちの、泣きながらメモをのこしていかれる姿をみて、私はただいっしょに泣くことしかできませんでした。

番組ではMVよりゆっくりとまさに語りかけるように歌われ、まるでとつぜん奪われた方たちとそのご家族とのあいだで、ひそかに言葉が取りかわされているように見えました。京都から東北の空へと、瞬時に歌声が飛んでいったかにみえたのです。

そして私にとってそれは、父への鎮魂の歌でもありました。

震災前年の新緑のさなかに、あまりにもとつぜんに逝ってしまった父の手を握ってあげることはおろか、「ありがとう」のひとことさえ伝えることができなかった私は、最後の入院中、人生にも家族にもひとつの不満ももらさず逝った父に、❝これまででいちばんカッコよかったよ❞と心で叫んであげることしかできませんでした。

最初の記事につづることで、ほんのわずかだけれど、亡き父への恩返しに、と思いました。

この3月11日にはまにあいませんでしたが、震災で亡くなられた方々と、いまも深い悲しみの中にいるそのご家族の方や知己の方々に、そして、とつぜんに逝った方のためにもっと何かできたのではないか、と、哀しみとともに今生きているすべての方々に、捧げたいお歌です。

藤澤ノリマサ『Prayer』

出典:https://www.youtube.com/watch?v=L2F813-4rzA