『逃げ恥』ゆりちゃんの名言について細かすぎて伝わらないかもしれない一点

ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のおもしろさは、記事1個分で語るにはまったく足りないんですが、そのおもしろさはすでに、多くの人によって語られていると思うので…

なので、ここでは、たぶん細かすぎて伝わらないんじゃないかと思う、「逃げ恥」のある1点について語りたいと思います。

ヒロイン、みくりの叔母、「ゆりちゃん」の手がける、「化粧品会社のキャッチコピー」についてです。

細かいでしょう。そんなとこか、覚えてね~よ!と思いつつ、読みつづけてくださる方、どうもありがとうございます。

彼女が勤める化粧品会社で、手塩にかけた広告用の制作物として、時にその手に熱く握りしめられながら語られるパンフの表紙や、夜景に映えるどでかいビルの看板として、しばしばど~ん!と登場する

「自由になる。美しくなる。」

というキャッチコピーです。

これ、順番が逆じゃないか?

と、思うんですね。

「美しくなる。自由になる。」

じゃないかと思うんですが、いかがなものでしょう。

たとえば朝、女性が出勤前にする身支度、メイク、これすべて、「美しくなって、少しでも自由に、そして有利に、今日の戦闘を戦うため」だと思うんですね。

休日のお出かけでも、誰かと出かけるかひとりでか、でニュアンスは多少変わると思いますが、いずれにしても「戦闘」が多少耳ざわりのよい言葉に変換される、というだけの違いだと思うんです。

いえね。もちろん、

自由になって、美しくなる。

そういう変化も、女性の一生のどこかではある、と思います。

が、何か人生の一大転機的な事件、仕事も住まいも何もかもをいったんゼロにして新しくやりなおす、みたいな、とにかくこれまでの自分から変わらざるをえない何かがどかん!と起きたあとの心境の変化を思いおこさせるので、そういう特別な状況の起きた時じゃなく、日常的に起こっている変化を表現してくれる言葉だったら、と、思ったんですね。

美しくなって、自由を手に入れる。

それは、やはり、コレじゃないかなあと思ったんですね。

コレをくりかえしつつ、日々生活に挑む、それがふつうに暮らしている女性じゃないかと思ったんですね。

だからこそ、化粧品も服も女性にとってはいつも大きな関心事で、忙しいけどセンス良く適度な価格の服が何ショットもの写真で紹介されていてお手軽に買えるzozotownは繁盛するし、深夜まで化粧品や身支度に必須のあれこれをアマゾンなお値段で販売してくれるドラッグストアがそこいらじゅうに乱立しているわけで…

いや、ほんとにこのドラマ、このキャッチコピーの順番が「美しくなる。自由になる。」だったら、たださえ95%くらいある共感(どっちかっていうと、そこそこ普通に経験していてすごくまっとうに見えるみくりより、未経験ぶりがハンパじゃないひらまさ氏に超共感しちゃったんですが)が、もう、99.9999…%くらいになったのに、という、細かすぎて伝わらないかもしれない、もし伝わらなかったらここまで読んでくださった奇特な方に、申し訳ないお話でした。